【与那国】任期満了に伴う9月4日告示、同9日投開票の町議会議員選挙(議席10)は28日までに、新人で出馬する意向を示していた自営業の鈴木修氏(51)=祖納=が断念した。取材に「支持者から強い出馬要請を受けていたが、調整が難航して準備が間に合わなかった」と話した。これにより候補者は12人でほぼ確定した。旧盆を終えた島内では、地縁・血縁の取り込みに向け、水面下で激しい前哨戦が展開されている。
今町議選は、議員定数が6から10に拡大するほか、2016年3月に陸上自衛隊沿岸監視部隊の配備後、初めて行われる町議選挙。現職6人、元職1人、新人5人が激しい集票合戦を展開することになりそうだ。
昨年8月に4期目の当選を果たした外間守吉町長の支持は6人、不支持は鈴木氏の出馬断念で1人減の6人と同数となった。
与野党の現議会勢力は野党4、与党2の野党多数となっており、与野党の勢力図の変化が最大の焦点となる。各予定候補者は、約200票と言われる「自衛隊票」の獲得に独自の政策で集票に結びつける構えだ。
町選管によると、6月1日現在の有権者数は男764人(前回574人)、女603人(同544人)の1367人(同1118人)。2014年9月に7人が立候補した前回選挙は投票率96・78%で、最下位当選者の得票数は120票、次点は117票だった。
立候補予定者の一人は「超短期決戦で、議席も増え、自衛隊票の行方も見えない。当落ラインを考えるより、どれだけ支持を拡大させて集票できるかに必死」と話した。