9月9日投開票の石垣市議議会議員選挙(定数22)は、9月2日の告示まで1週間を切った。立候補を予定している30人はすでに市選管で事前審査を済ませるなど、立候補届け出書類の準備を進めている。選挙ポスター掲示場は市内146カ所に設置され、36人分の枠を確保。市議選ならではの大きな掲示場の出現で選挙ムードも高まっている。告示前までの1週間、予定候補者は、当選が確実視されている800票台を目指し、基礎票固めと票の掘り起こしに全力を傾注する。水面下の動きが激化しそうだ。
出馬予定者は現職15人、新人11人、前・元職4人で、与党系17人、野党系13人。現勢力は与野党それぞれ11人と同数になっており、平得大俣への陸上配備計画をめぐり、中山義隆市長が今後、配備予定地の半分を占める市有地の提供を市議会に求めてくることが想定されることから、改選後の与野党の勢力図の変化が最大の焦点となる。
ただ、多数が立候補する市議選の場合、有権者は地縁血縁や友人知人の関係を重視する傾向が強いことから、議員経験者からは「陸自配備問題は争点になりにくい。候補者も色を出しにくい面がある」と指摘する声も上がっている。
告示までの前哨戦について現職の1人は「新人の動向が気になるが、票が逃げないよう基礎票票固めに力を入れる」、新人の1人は「現職は強いので票の掘り起こしを加速させる」、元職の1人は「新人の場合、人とのつながりが分かりづらく、今回は勇退組も多いので、票がどこに流れるのか読みにくいが、とにかく票をしっかり固めたい」と話した。
前回選挙では、29人が立候補し、当日有権者数3万7197人のうち2万6070人が投票(投票率70.09%)。当選者のうち最多得票は1313票、最低は694票。
今回は、有権者が3万8792人(6月1日現在)と1595人も増えている。当落の分岐点は700票台前半とみられているが、投票率や上位当選者の得票状況によって前後する可能性がある。