【那覇】環境省が6月6日から7月4日まで石西礁湖や西表島周辺、奄美大島、沖縄島の海域で実施したサンゴ白化現象の補足調査によると2017年度と比較した平均サンゴ被度率は奄美大島で10ポイント以上の減少が確認されたが、それ以外の地域で減少は確認されなかった。白化現象は石西礁湖と西表島周辺海域の全調査地点と沖縄本島の一部で確認されたが、奄美大島では確認されなかった。同省が7日、発表した。
調査は毎年秋に実施している調査に加え、前年度の白化現象による影響を詳細に把握するため、夏の海水温上昇前に実施したもので、石西礁湖18カ所、西表島5カ所、沖縄本島13カ所、奄美大島5カ所でスポットチェック法を実施した。
その結果、各調査地点のサンゴが海底を覆う比率から算出した平均サンゴ被度は石西礁湖と西表島で昨年度と同程度の27~40%だった。同様に生きたサンゴ群体に占める白化したサンゴの割合から算出した平均サンゴ白化率は、石西礁湖北部で21%、中央部で51%、西表島は16%だった。また、石西礁湖と西表島周辺海域のサンゴにホワイトシンドロームと呼ばれる病気が発生していることも分かった。
米国海洋大気庁によると、8月から11月までの海水温は奄美群島から沖縄本島にかけては白化を引き起こすような温度にはならないが、石西礁湖と西表島周辺海域ではやや水温が高く白化現象に注意が必要な地域とされている。
環境省では引き続きサンゴ被度や白化現象、ホワイトシンドロームの発生状況を把握する調査を定期的に行っていくとしている。