昨年9月からビザなど国際ブランドのカード加盟店サービスを提供している㈱琉球銀行(川上康頭取)は2日、代理店に当たる加盟店開拓業務を西表島交通㈱(玉盛雅治代表取締役)と締結し、8月10日からサービスを開始すると発表した。
座間味村観光協会に続き2例目。西表島交通は加盟店1号として、移動可能なモバイル型のカード決済端末機を島内で運行する路線バスに搭載し、クレジットカードや電子マネーで運賃の支払いを可能とする。同時に加盟店の申し込み受け付けを開始、島内でのキャッシュレス化を進める。
西表島には年間30万人を超える観光客が訪れているが、クレジットカードなどを利用できない店舗や事業所が多く、不便を強いられている。キャッシュレス環境が整備されれば、観光客や住民の利便性が向上するほか、事業者側にとっては経済的な効果が期待できるという。
利用希望事業者は、代理店の西表島交通でサービス提供の申し込みが可能となり、独自にカード会社と契約を交わす必要がないため手続きが簡素化され、専用端末も安価で設置できる。事業者への売上代金の振り込みは1週間以内と迅速となり、売り上げに対する手数料についても同社は「大手カード会社に負けない設定」としている。
同行が提供する決済専用端末では、国内外のクレジットカードや電子マネーなど22ブランドの利用が可能となっている。今後、西表島以外の島々でもカードの取り扱いができるよう検討していく。
同行の松原知之代表取締役専務と玉盛代表らが町役場内で会見し、松原専務は「西表島でのカード普及の進展を期待したい。売り上げ増、現金取り扱いの軽減を図ることができ、地域おこしと人手不足の解消にキャッシュレスアイランド構想を進めたい」と述べた。
玉盛代表は「離島には必要なツール。キャッシュレスだと購買率は上がる。他の業者にも賛同してもらい相乗効果を出したい」と期待。
同席した西大舛髙旬町長も「地域おこしを大いに期待したい。他の島々や他の業界とも連携して、どこでもキャッシュレスで決済ができるよう、画期的な取り組みに期待したい」と歓迎した。