【静岡】日本最西端の与那国島から「与那国馬」が、富士山を背に緑豊かな自然があふれる三島市に渡った。同市が市立公園楽寿園(高橋英朋園長)の目玉としてことし3月、寄付金で与那国馬保存会(大嵩長史会長)から与那国馬の雄雌2頭を購入したもの。22日にはお披露目式が行われ、一躍人気を集めた。与那国馬が県外に渡るのは2001年4月に茨城県大洋村(現鉾田市)に寄贈されて以来。故郷から約1900㌔離れて暮らす在来馬が、両市町を結ぶ新たな交流の懸け橋となりそうだ。
三島市は、市営公園で飼育され乗馬体験で来場者から人気を集めていたポニー2頭が高齢を迎えたことから、新たな施設の目玉として与那国馬に注目。与那国馬保存会と交渉を重ね、輸送も含めて雄雌2頭を約120万円で購入、3月26日に迎え入れた。
2頭は、飼育担当職員が、フィンランド語で太陽、海をそれぞれ意味する「アウリ」(3歳1カ月)、「メリ」(2歳4カ月)と命名。園内では主に放牧場で過ごし、島と違う環境でも、のんびり過ごしているという。
お披露目式には豊岡武士三島市長や市議会議員、与那国町から崎元俊男町観光協会会長と町職員が出席し、2頭による初の乗馬体験を見守った。会場では与那国町の特産品を紹介するブースも設置された。
与那国馬は日本に8種ある在来馬の1種。1969年に町の天然記念物に指定された。町によると、島内には約130頭が放牧されている。
楽寿園の大川友理恵さんは「2頭がきっかけとなって与那国町と三島市の交流が生まれてほしい。つがいなので、子どもが生まれた際には盛大に祝いたい」と喜んだ。
崎元会長は「来園者が与那国馬を知り、生まれ故郷の与那国島に多くの観光客が来てほしい。これを契機に両市町の交流が活発になってほしい」と期待した。