ふるさとの言葉に対する関心を高め、地域文化の継承発展に寄与することを目的とした第8回すまむに(方言)を話す大会(石垣市文化協会主催)が14日、市民会館中ホールで行われ、9歳から80歳まで幅広い層の8人が出場、方言で民話や文化を紹介した。大会には小学生で過去最多の3人の参加があり、来場者から温かく盛大な拍手が送られた。出場者全員に賞状と副賞が贈られた。
大浜小4年の前津乙絢(てぃあ)さん(9)と大島千佳(かずよし)君(同)が「大浜村ぬ桃太郎」、石垣小6年の請盛拓真君(12)が「うやふこう あうだ」(親不孝カエル)を原稿なしで発表した。
一般では波照間静也さん(63)=新栄町=が「よーらさー なるだ ゆた」(火吹き鳥になったユタ)、今枝克郎(56)・亜呼さん(54)=真栄里=が「ぱいぬ てぃーすり ぱんすり」(蠅の手すり足すり)、 伊舎堂都さん(80)=登野城=が「『なだっさ かいしゃ すまくとぅば』いかいてぃ」(やさしい美しい島言葉に出会えて」、通事安憲さん(66)=大川=が「ぐしょーぬ しょんがつ」(後生の正月)、小林さゆりさん(56)=登野城=が「しばんぬ あかんまー」(師番の赤馬)を紹介した。
このうち今枝夫妻は6年前に名古屋から移住し、島言葉を習い始めて1年半。昨年に続き2回目の出場で、「島言葉を話すのは難しいですが、少しは聞かれるようになっていますでしょうか」と語りかけると拍手が湧き起こった。
協会すまむに部会(黒島健会長)の部会員、村田栄正さんが感想を述べ、「今回3人の小学生が出たことは大きな喜び。これが広がってほしい。子や孫に声をかけてほしい」と呼び掛けた。
大会に先立ち、江川義久会長、黒島部会長があいさつし、「大人がすまむにを使うことが大事」と強調した。アトラクションとしてミヤギマモルが方言バージョンの「やいま(八重山)」を初めて披露した。
■流ちょうな方言披露
小学生に大きな拍手
大浜小4年の前津乙絢さんと大島千佳君、石垣小6年の請盛拓真君は方言の民話を暗記して第8回すまむぬを話す大会に臨んだ。流ちょうな方言が拍手喝采を受けた。主催する石垣市文化協会すまぬに部会の黒島健会長も「方言を覚えるのは丸暗記から」と喜んだ。
半年ほど前に学校で発表したこともある前津さんが出場者8人のトップバッター。「緊張したが、ちゃんと話すことができた」とホッとした様子。
大島君は身ぶり手ぶりを交えて「ばあちゃんに出たらと言われ、2週間、遊ぶ暇もないくらいに練習した。お菓子をもらえたので良かった」と笑った。
請盛君は「公民館の方言講座を受けたときに先生から促された。6月後半から週に2、3回練習したが、発音が難しい。父もちょっと方言を話すが、もっと使ってほしい」と要望した。