非常に強い台風8号の襲来に伴い、八重山では主にサトウキビなど農作物に被害が出ており、3市町のまとめによると、11日時点の被害額(速報値)は計1億4393万円となっている。サトウキビだけで1億円余り。石垣市内では、株出しとともに増加傾向にある春植えで被害が拡大。JAおきなわ八重山地区営農振興センターによると、サトウキビの被害率は約6%だが、春植えは19%にのぼった。成育する前に折損するなどした。
市によると、被害額は1億4229万円で、農産物1億2791万円がほとんどを占める。このうちサトウキビ1億720万円、パイナップル2025万円、マンゴー36万円など。
サトウキビ被害について、営農センターの石垣信治センター長は「春植えの被害が大きく、全体の被害率を押し上げた。春植えは十分に成育していない状態だった」と話した。
JAによると、ハワイ種のパインは、冠芽が処理されていないパインに被害が多く出た。被害率は20%程度と見込む。
懸念されたマンゴーは比較的軽微な被害にとどまった。市によると、袋が擦れ、商品にならない状態となる擦果が確認された。
JAによると、オクラも1000万円の被害を確認している。
竹富町では、農産物被害の報告は上がっていないが、JAによると、サトウキビで約669万円と見込まれる。与那国町では150万円だった。
このほか市では外灯や窓ガラス、駐車場屋根の破損など公共施設被害が1438万円。嵩田林道で幅約2㍍、高さ約5㍍にわたってのり面が崩壊したが、路面の土砂はこの日のうちに撤去された。
竹富町では、子午線ふれあい館のシャッターが全壊した。