竹富町史編集事業の「島々編」シリーズ、「竹富町史第七巻 波照間島」(すむづれの島波照間島)がことし3月に発刊され、関係者が6日午前、竹富町役場で会見し、発表した。シリーズ5作目の同書は、歴史、自然、生活、伝統文化など13章で構成。B5版904㌻。波照間島編専門部会の玉城功一会長は編集を通して「島の魅力や特徴に改めて気づかされた。多くの場所で活用してもらいたい」とPRした。
竹富町史編集員会を立ち上げ1989年に始まった同事業は、歴史をまとめた「通史編」、新聞記事や写真を収めた「資料編」、各島を紹介した「島々編」の3本柱で編集。島々編ではこれまで、竹富、小浜、新城、鳩間が発刊され、第四巻黒島、第八巻西表は現在編集中。
波照間島編は、2003年に島出身者で専門部会を組織、各分野の専門家が16回の会合を重ね、発刊にこぎ着けた。執筆者は28人。群雄割拠時代とオヤケアカハチ事件、燐鉱の興亡、パイパティローマ伝説、酒造業など島独自の歴史や文化が記され、読み応えのある文献になっている。
同委員会の石垣久雄委員長は「完成に15年の年月を要したが、島の歴史や文化が凝縮された作品に誇りを持っている」と出来栄えに満足した様子。
西大舛髙旬町長はあいさつで「他の地域にはできない事業。先生方に感謝申し上げ、波照間島編を広く伝えたい」と述べた。
仲田森和教育長は「熱意のもとに出来上がった町史を町内の各学校でも活用したい」と感謝した。
同書の発行部数は600部で、1冊3000円(税抜き)。市内の山田書店、ブックスきょうはんやいま店、南山舎のネット販売「島のもの屋」、沖縄本島の書店でも販売している。