【与那国】任期満了に伴う9月9日投開票の町議会議員選挙は同4日の告示まで2カ月となった。現職では、今期限りの勇退が浮上していた大宜見浩利氏(61)=祖納=が出馬の意向を固めたため、6人全員が立候補を予定。現職以外では、元職で団体役員の嵩西茂則氏(56)=比川=、新人で会社代表の金城信利氏(44)=祖納=が出馬の意思を示し、会社代表の杉本和信氏(48)=祖納=が調整を続けている。
昨年8月の町長選挙に出馬して落選したが、町議復活を望む声がある前職の糸数健一氏(64)=祖納=は態度を明確にしていない。今選挙から議席数が4増の10に拡大するが、与野党ともに人選が難航、現段階で出馬を決めているのは8人にとどまっている。無投票の可能性が高まっていることから、今後、擁立作業が加速しそうだ。
今選挙は与野党の勢力図の変化に注目が集まる。現勢力は野党4、与党2。野党側は採決に加わらない議長を除いても3対2で過半数を占めており、少数与党の外間町長は厳しい町政運営を強いられている。
このため与党側は、過半数奪還に向け保守層の掘り起こしを進めており、予定候補者を5、6人確保したい考え。新たに60代男性(久部良)に出馬を打診しながら女性候補者の擁立にも着手。女性票の獲得など、これまでになかった支持層の拡大を狙う。
一方、野党側は過半数の堅守を掲げ、現職4人を軸に新人候補者1人の擁立を進めている。革新地盤を持つ野党側は、昨年8月の町長選挙で反外間の保守候補と共闘を実現。町議選でも「反外間」勢力を拡大させて保革を超えた支持を取り付ける考えだ。
現職で出馬を決めているのはほかに与党の前西原武三氏(64)、野党の田里千代基氏(60)、與那覇英作氏(58)、崎元俊男氏(53)、与那原繁氏(56)。