川平地区の都市計画景観地区の変更に反対し、石垣市を相手に手続きの中断を求めて行政処分差し止め訴訟を起こしている川平公民館の高嶺善伸館長らが13日、中山義隆市長と市役所で面談、変更手続きの中止方針をじかに確認した。これを受け、高嶺館長らは、19日に第1回の公判が予定されていた訴訟を取り下げる意向を明らかにした。
中山市長は「都計審でも結論が出たので川平地区については見直しを取りやめ、中止と決定した。地域に心配をかけた」と述べたこを受け、高嶺館長は「提訴の目的がなくなったので取り下げる」と伝えた。
その上で「川平湾は一体的に守るべきところだと景観地区に指定されたいきさつを尊重し、再び見直しがないよう今回の結果をしっかり持ち続けてもらいたい」と要望した。
一方、高嶺館長は、7㍍の高さ制限を撤廃する風景計画にも言及、「石垣島は海岸線の美しさが魅力。7㍍制限が撤廃されると、石垣らしさが失われる可能性がある。風景計画についても立ち止まり、悔いを残さないよう判断してもらいたい。川平だけでの問題ではなく、市全体の景観が問われている」と提起した。
これについて中山市長は「7㍍だと2階までしか造れないとか、アパートがつくれないという話もあったので、13㍍を考えている。ただ、どこでも建てられるものではなく、制限をかけながら利活用していきたい。守るべきところは守らなければならないという認識をもっている」と述べ、方針通り変更手続きを進めていく考えを示した。
景観形成審議会の報告、都市計画審議会の答申を受け、中山市長は▽川平地区を中止▽観音堂地区を一時保留▽風景計画を変更—する方針を打ち出している。