【大阪】八重山への観光需要をさらに拡大するため、八重山ビジターズビューロー(会長・中山義隆市長、YVB)は4日午後、大阪市内の商業施設で「八重山観光感謝のつどい」を開き、関西圏域の航空会社や旅行会社から約90人が参加した。今回は八重山観光の魅力を掘り下げてPRするため、観光セミナーを拡大。西表島の世界自然遺産登録に向けた取り組みと国内初認定の星空保護区を中心に紹介した。参加社の担当者らは「自然ブランドの強みを感じた。新たな冬場観光の送客につながる」と高評価した。
YVBによる観光感謝のつどいは、送客需要が高い首都圏の東京、大阪を交互に年1回開催。今年は、例年行っていた懇親会を取りやめ、新たな観光資源の魅力紹介に時間を割いた。
セミナーでは、政府が世界自然遺産登録を取り下げた経緯と今後の方針について、竹富町の通事太一郎政策推進課長が報告。「国際自然保護連合は、(西表島に)急増する来島者が地域社会や生物に大きな脅威になるとしている。町としては2020年夏の登録に向けて再スタートを切る。登録を目指すには従来の観光形態や旅行商品を見直し、受け入れ規制などの形が求められている」と理解を呼び掛けた。
星空ツーリズム㈱の上野貴弘代表は、国内初の星空保護区として「ダークスカイパーク」に暫定認定された石垣国立公園の、世界基準の美しさを誇る星空の魅力と資源を生かした観光ツールを紹介。八重山の島々から見える星空をスライドショーで紹介しながら「八重山諸島の夜空の暗さは世界最高レベルで全天88星座のうち、84星座が見える。島の人々の暮らしと夜空の暗さが共存している貴重な場所」とPRした。
そのほか3市町の行政担当者が観光PR動画を使って島々のイベントなども説明した。
参加した日本航空関西地区国内販売グループの高松伸治統括マネージャーは「特に八重山の星空は冬場観光をリードする一つの商品になる。関西から直行便で結ぶ利便性を生かして多くの送客に期待できる」と話した。