ことし2月から少雨傾向が続き、5月8日の梅雨入り後もまとまった雨が降らず、水不足と農作物などへの影響が懸念されている八重山地方で1日以降、降雨が観測されている。石垣島地方気象台によると、3日は、午後6時までに伊原間で63・5㍉、与那国で36・5㍉、登野城で8・5㍉。まとまった降雨は登野城で69・5㍉を記録した5月8日以来。約1カ月ぶりの恵みの雨となった。
向こう一週間の予報によると、梅雨前線や湿った空気の影響で曇りや雨の降る日が多くなる見込みで、同気象台の担当者は「今週も崩れやすい天気だが、雨量は平年並み」と話している。
少雨傾向が続いているため、気温は平年より高くなっており、石垣市干ばつ対策会議は農作物の管理に注意し、早めに散水措置をとるよう呼び掛けている。
市によると、農業用の底原ダムの貯水率は5月30日時点で82・3%。雨が降らないまま使い続けると約半年で底をつくという。市水道部も、各水源から取水できる量が減少している現状を懸念しており、「まだ足りない。まとまった雨がほしい」としている。
大里でサトウキビを植えている40代の男性は「雨が降らず土が硬くて、培土するのも大変で困っていた。この雨で土が軟らかくなれば助かる。もう少しまとまって降ってほしい」と期待を込めた。