バニラ・エアが石垣路線に新規就航する7月1日以降、県が石垣ー那覇間の離島住民割引運賃「沖縄離島住民等交通コスト負担軽減事業」の適用を保留する措置を決めたことに対し、石垣市議会(知念辰憲議長)は1日、臨時会を開き、「格安航空会社の新規就航後、既存航空会社は現状の運賃設定を継続することから、価格競争状態とはならない」として事業の適用継続を求める意見書と要請決議を全会一致で可決した。砥板芳行氏の提案。近く議員を派遣し、県知事、県議会議長らに直訴する。
同事業は、県が国の沖縄振興一括交付金を活用し、離島住民の定住条件整備を目的に、航空路線運賃を新幹線水準にするため差額分を航空会社に負担するもの。
決議では、本島への急な所用や業務上の出張などで同路線を利用する場合、「離島住民割引運賃を利用することで交通コストの負担が軽減されている」とした上で、県が航空会社間の公正かつ自由な競争が制限されるとして適用保留を決定したことに「新規就航も2往復のみであることから新幹線水準運賃での利便性は著しく低下する」と指摘。さらにバニラ・エアの場合、搭乗客は那覇空港の格安航空会社専用ターミナルの利用を余儀なくされることから、国内線ターミナル利用時に比べ、モノレールやバスなど二次交通への利便性がなくなる、としている。
質疑で平良秀之氏は「高齢者はネット予約を活用できない。がんなどの難病患者は予約しても便を遅らせるケースがある。離島割引が使えなくなると負担が大きくなる」と懸念を示し、砥板氏も「格安航空会社専用ターミナルは、国内線ターミナルから離れた貨物専用のところにあり、ボーディングブリッジもない。高齢者や障がい者は不便を強いられる」とした。