第1次計画の見直し作業を進めていた第2次竹富町海洋基本計画策定員会(委員長・土屋誠琉球大学名誉教授、委員17人)は25日午後、西大舛髙旬町長に同計画案(2018~22年度)を答申した。▽貴重な生態系の保全▽安全・安心な生活環境の実現▽産業振興の推進▽伝統文化の次世代継承▽国境離島地域の保全振興—を5本柱に、入域者数増加に伴う自然環境の保全・適正利用策の実施などを新たに盛り込んだ21施策を展開する。町は計画案を6月定例議会に上程し、改定を目指す。
計画案は「~美ら海とともに生きる町~新たな発展と海洋立国への貢献」を理念に、第1次計画後に町内で生じた課題として、①入域者数増加と開発圧力②地球規模の環境変動③近隣諸国との摩擦増加④人材と財源不足—の4点を提示。
今後5年間で、マリンレジャー関連事業者の実態把握や外来種のモニタリング調査に始まり、超高速ブロードバンドサービスの基盤整備、高校生への経済的負担軽減措置など島しょ部の地域性に特化した事業を計画する。
離島苦の解消に向けては現在、再開のめどが立っていない波照間空港の早期再開と滑走路延長、島間・周遊海上交通網の検討も示している。
第1次計画策定後、課題の一つであった評価・進捗(しんちょく)管理では、毎年度、項目別に設定した評価指標で進捗状況を確認し、公表する体制を整える。期間内に掲げる目標達成率は80%以上。
町政策推進課を主管に有識者らで組織する第三者委員会、各公民館長らでつくる地域協議会の2者の意見を集約し、実施内容の見直しを図る方針だ。
町役場で同日午後開かれた第4回会合で計画案の細部を加筆修正した後、土屋委員長が「大変ハードルの高い内容になっているが、目標達成されることを強く祈念したい」と答申。西大舛町長は「計画に沿って、海を活用した素晴らしいわが町づくりをしていきたい」と意欲を示した。
町は町制施行70周年記念事業の一環として、ことし秋に同計画を啓発する海洋シンポジウム開催を予定。18年度当初予算では計画推進費に約560万円、シンポジウム委託料に1650万円をそれぞれ計上している。
同策定員会は昨年10月に発足。西大舛町長から諮問を受け、ことし5月に閣議決定された国の第3期海洋基本計画を踏まえ、計4回の協議を重ねてきた。