障害や病気により介助が必要な子どもを持つ親の会「カラフル」(島内初美代表)が市に要望していた「障がい児の通所型入浴サービス」が、来月中に開始される。22日午後、市役所で開かれた同団体と市の会合で、障がい福祉課が今月中にサービスを請け負う事業所と利用額などを調整し(来月の)早い時期の開始を目指す考え示した。
同団体によると肢体不自由の児童生徒を入浴させるのに40分から1時間を要し、サービスの導入で入浴時の安全性向上、保護者の就労時間の確保や介助負担の軽減が期待される。
同団体は2016年11月、障がい者(児)が必要なサービスを受けられるよう市に▽子どもの入浴サービス▽子ども用のショートステイ施設▽車いす障がい者のグループホーム▽療育施設の設置—の4項目を要望。市は同日、要望に対して進捗(しんちょく)状況を説明した。
入浴サービスは、八重山特別支援学校に通う子どもの場合、平日に学校ー事業所(入浴)ー自宅へと送迎付きサービスが計画されている。
また、短期間入所でサービスを受けられる「ショートステイ」設置について、同課の担当者は「費用などの面で市単独の設置は厳しい」とし、県にも設置に向けて要請を行っていることを説明した。市は、県立八重山病院と連携して障がい児の「レスパイト入院」も視野に入れている。
病気や障害で生活に困難を抱えた人たちが、専門スタッフ等の援助を受けながら一般住宅で生活するグループホームは、建て替えられる市営新川団地の2戸を確保。車いす対応で2021年の供用開始を見込む。
意見交換で参加者からは「ショートステイなどサービスが充実しないと働くことができない」などの意見もあった。
島内代表は、入浴サービス開始のめどが立ったことに喜ぶ一方で、石垣市に療育施設が整っていないため、よりよい環境を求め本島や本土に障がい児が家族ごと引っ越してしまうケースを紹介。「島に沖縄南部療育医療センターのような医療型療育障害児入所施設ができれば」とし、「療育のため、島に住みたいのに住めない子もいる。その事実を知ってほしい」と訴えた。