大型共同住宅が計画されているほか、高さ制限の緩和が予定されている観音堂景観地区で29日、自治会が組織されることになった。いずれの問題も住民にはほとんど知らされておらず、「良好な生活環境を築くため、情報の収集、折衝の窓口としての機能」を果たすことを目的に立ち上げることに。観音堂自治会設立準備会(比屋根健代表)が22日夜、地区内で会合を開き、規約案や事業計画案などを総会に提出することを承認。比屋根代表は「大きな問題が吹き出しており、自治会として声を上げざるを得ないだろう」と述べ、自治会として何らかの対応をとることを示唆した。
同自治会が仮に景観地区変更案に反対すれば、川平景観地区と同様、地元自治組織が足並みをそろえることになり、今後の都市計画審議会の審議や県知事との協議に大きな影響を与えることになりそうだ。
自治会設立のきっかけは、大型共同住宅建設計画。市は昨年3月31日付で、市自然環境保全条例に基づき開発業者から提出された、建設場所に近隣する自治組織として双葉公民館の同意書を認め、都市計画法に基づく業者の開発許可申請を同年11月8日付で県知事に進達しているが、観音堂地区住民がこれらの手続きについて直接かかわることはなく、準備会は「双葉公民館から取り残された地域であった」と指摘。比屋根代表は「今後、このようなことを二度と起こさないよう、今後は自治会として対応したい」と意義を強調した。
設立趣意書によると、奈良佐・皆野宿線沿いの観音堂地区は十数年前から宅地化が進み、10年前には都市計画法に基づく景観地区に指定された。住民は、法令で守られた観音党景観地区の美しく基調のそろった住宅が立ち並ぶ景観の中で、冨崎の丘陵から八重山の島々や美しい星空を望める豊かな環境で日々を送っているとする一方、リゾート開発などによる景観・環境破壊のおそれを指摘している。
準備会によると、同地区の対象は57世帯。この日の準備会には40世帯前後が参加。設立総会までに加入促進を呼び掛けていく。