およそ尋常ならざる振る舞いと言うべきか。トランプ大統領である。中間選挙を控えエルサレムに大使館を移転した。パレスチナの憤激を買い、抗議デモの60人余りがイスラエル軍の狙撃などで死亡した▼それぞれが首都と主張する経緯を見れば、こうすればああなる、火を見るより明らかな愚挙である。民主、共和の党派を問わず歴代政権が控えてきたことを平気で実行に移した。イラン核合意からの離脱もそう。英仏独などの諸国が枠組みに残ったが、これでは中東の戦火は絶えず、宗派の争いも続く▼米朝首脳会談という融和ムードを演出する一方での中東の争乱。何を考えているのか「トランプファースト」のやりたい放題が世界中をざわつかせる▼リゾート開発をめぐり石垣市政もざわついている。白保に続き、宮良公民館も近隣開発に反対を表明。農振除外反対も建築物高さ規制維持も、三たび地域の声を無視された川平公民館は、風景計画の変更手続き中断を求めて石垣市を提訴するに至った▼ごく少数の賛成者を集めた陸自配備意見交換会は、開催実績づくりが透けて見える。反対住民の要請書を受け取らず「市役所まで来て」とは何たる物言い▼外の声に耳を傾け、地域や市民の声は意に介さない。その姿勢もまた、尋常ならざるものではないか。(慶田盛伸)
↧