地域内で運営されている星空ガイドなどの事業を公民館公認として認定する式典の取材で、久しぶりに久宇良集落を訪れた▼県道から奥に入ったところにあるため、車両の往来もなく静寂。来るたびに癒やされる。入植10周年のときに住民総出でつくったコンクリート製滑り台は今も健在だが、長いこと使われておらず、花壇と化していた▼認定式は、母の日祝賀会に合わせて行われた。会場は公民館前広場。緑の芝生がきれい。郷友らも集い、みんなで机を囲み、飲み、食べながら談笑する。夕方だったので吹く風も心地よい▼１９５６年の入植からことし62年目。13世帯22人と人口減に悩む。当時10代だった子どもたちも今は長老。今回の若者たちの取り組みに目を細めていた。乾杯の音頭をとった宮城茂正さん（76）は「久宇良のために一生懸命頑張っている。もうけたら公民館にもお金を入れてね」と言って破顔一笑▼比嘉靖弘さん（73）は、星空ツアーの参加者から感想を聞いたことがある。全国の星空を見てきたという人だったが、「久宇良の星空には感激した、星空が近くに見えた、大きく見えた、流れ星も糸を引いていた、この宝、財産を守ってください」と言われたとうれしそう▼これも開拓者の苦労があったからこそ。そんな思いがあふれていた。（比嘉盛友）
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