「いつの時代も子どもたちの未来は輝いていなければならない」。1999年放送、連続テレビ小説と呼んでいた頃の朝ドラ「すずらん」から拾った言葉。当時の日誌にメモが残っていた。記憶より記録だ▼少子化であれ子どもは生まれる。それが自然の摂理。新たな生命を授かった喜びのなか、命名は親から子への最初の贈りもの。親の願いそのものだろう▼「子」は古来、男子の尊称である。君子(くんし)に諸子(しょし)、孔子に孟子。小野妹子に蘇我馬子。鎌倉では女性の北条政子が実権を握った。江戸では庶民女性に「子」がつくのは珍しく、ハイカラなイメージは明治から。黄金期は昭和だろうか。30年生まれのトップ10は、洋子に恵子、京子と続き全員「子」。昭和50年でも10人中6人だったが、平成元年にはゼロに▼現代はいかが。明治安田生命の名前ランキング2017ベスト100では、1位は結菜と咲良、3位に陽葵。「子」は4位の莉子のみで、あとはすべて「子」の字がない▼きらきらネームと言われようと、当て字ばかりと言われようと、その名前は世界でただ一人、いとしいわが子に贈った親の願い。喜びに満ちた人生であってほしい▼今日は46回目の5・15。沖縄の子どもたちの未来は輝いているか。私たちは、大人社会はその責務を果たし得ているか。(慶田盛伸)
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