新川にある真乙姥嶽の拝殿建て替え事業を進める真乙姥嶽拝殿新築事業期成会(入嵩西正治会長)は12日夜、新川公民館で「真乙姥嶽の歴史と四箇字豊年祭」~未来へつなげる百年新拝殿にむけて~をテーマに講演会を開いた。建て替えを機に御嶽や豊年祭に関して多くの質問が寄せられていることから、祭祀(さいし)や歴史に詳しい石垣博孝氏(81)が、御嶽の歴史や時代背景について講話したほか、新拝殿の設計にあたった新川出身の1級建築士照屋寛公氏(60)=那覇市=が、設計理念を紹介した。沖縄本島からの参加を含め地域内外から約150人が参加。関心の高さをうかがわせた。
幼少期から四カ字豊年祭に参加し、沖縄・八重山文化研究会会員でもある照屋氏は、民俗学の見地から新拝殿のアマハジ(ひさし)のデザインを円環状にした理由を説明。また、御嶽の設計にあたり郡内約20カ所の拝殿を調査し、拝殿のどの部分の劣化が激しいのかを調べ、木造とコンクリート造を組み合わせたハイブリッド構造で設計。「傷んだ場所を修繕しながら100年以上使用できる拝殿」と力を込めた。
新拝殿の総工費は約1200万円で、現在の建設資金は約500万円となっており、新川字会の入嵩西純会長は「年度内には新拝殿を完成させて、来年の豊年祭は新しい拝殿で行いたい」と理解と協力を呼び掛けた。
講演後は2氏に加え、ラジオジョッキーの照屋寛文氏(56)をコーディネーターにミニ座談会を実施。参加者からは「いつ頃から豊年祭が行われたのか」「今の拝殿は何代目か」などの質問が飛び出し、予定時間を1時間以上超えて終了した。