2017年10月に石垣—波照間航路に就航を開始した㈲安栄観光(森田安高代表取締役)の大型高速船「ぱいじま2」の、就航開始から18年3月までの初便の就航率は平均89%と、小型高速船が就航していた前年同期を22・1%上回っていることが分かった。同社は、船舶の大型化で冬季の荒れた海象条件の中でも運航できたことを要因に挙げている。一方、速度の遅さや日没との関係で予定していた最終便を運航できなかった課題もあり、同社では船体機能の改善や冬季ダイヤの見直しを計画している。
就航率は9日、ユーグレナ石垣港離島ターミナルで開催された沖縄県離島航路確保維持改善協議会2017年度波照間航路分科会(会長・西大舛髙旬竹富町長、委員7人)で同社から報告された。
ぱいじま2は、全長39・5㍍、総㌧数284㌧、旅客定員210人。航路間の所要時間は、片道約1時間40分。
同社は小型高速船と併用して、ぱいじま2を初便と最終便の1日2回運航を計画。しかし、想定していた速度が確保できず、最終便の時間帯が日没に係るため冬季は初便のみの運航となった。
これに伴い、2便と最終便は小型高速船が運航。欠航も増え、就航率は2便56・9%(前年同期比4・4%減)、最終便52・5%(同8・3%減)となった。
同社によると、ことし10月の点検で船舶に備わっている「スタビライザー」という機能を、これまでの固定からプログラム制御への切り替え作業を予定。波の抵抗を受けず安定した航行で速力の改善を図る狙い。
担当者は、船舶の利便性を高めるため「問題を解決できれば、波照間島民が石垣島での滞在時間を延ばし、日帰りも可能になると思う」と話している。
同分科会ではこのほかに、18~20年度までの離島航路3カ年計画推進状況が示され、18年度の離島航路確保維持計画案を承認。来月の同協議会で計画が報告される。