石垣市消防本部(宇根規光消防長)は4月27日、同消防署に、初の化学ポンプ自動車と普通火災用薬液を導入した。同ポンプ車を油火災だけでなく一般火災の対応にも活用し、消火時間の短縮、使用水量の節減を図りたい考え。7日に同車両の運用開始式を行う。
同ポンプ車は、水の浸透力を高める普通火災用薬液と、泡で包みこんで酸素を遮断する油火災用薬液を、薬液槽に250㍑ずつ積載し、火災ごとに適した薬液と水を混合し放水することで、通常の消火活動の3倍の消火効率が期待できる。
同本部はこれまで市内の油火災の際、現場で水と薬液の混合作業を行っていたが、同ポンプ車では作業を自動で行うため、効率的に放水できる。
車両は全長7・13㍍、幅2・28㍍、高さ3・19㍍。通常トラックをベースに、高圧3段タービンポンプや放水銃、水タンクや薬液槽、3連はしごなどを搭載しており、総重量は11㌧350㌔。積載水は1500㍑。車両火災や小規模工場火災に対応できる化学消防車Ⅱ型。タンク部分は塩害に強いステンレス製。
同署では大型自動車免許を所持する本部職員53人全員が同自動車の取り扱いを熟知するよう、操縦訓練を行っている。
石垣空港に配備されている化学ポンプ自動車は県所有の資器材であり、石垣市所有の化学ポンプ自動車は今回が初。