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時間ずらし、すみ分けへ 日台漁業取り決め

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 日台漁業取り決めをめぐり、石垣島北方の三角水域内の一部で、第3回日台漁業委員会が今年1月24日に合意したマグロはえ縄漁の操業ルールが、4月から適用される。この間、第4回会合が開かれ、双方の投げ縄と揚げ縄の時間をずらして操業するとした内容で一致した。台湾側の操業が始まる4月20日から、漁期が終わる7月まで実施される。これがうまく機能すれば、操業ルールの適用範囲をさらに拡大できる可能性がある。(比嘉盛友記者)

 

■「話が早い」 

 

 台湾で3月10日に開かれた第4回漁業者間会合は、現場の漁業者で話し合ったのが特徴だった。八重山漁協から上原亀一組合長、鮪(まぐろ)船主会の仲田吉一会長、会員の高橋拓也さんの3人、台湾側からは漁業者12人が出席、高橋さんは「漁業者同士の方が話が早かった」と振り返る。

 合意した内容によると、台湾漁船は午前0時から図のライン①から東に向かって投縄を開始し、北緯124度15分のライン②で終了。午前7~8時の間に揚げ縄を始める。これに対し、日本漁船は、台湾漁船が揚げ縄を開始した時刻に合わせ午前7~8時の間に三角海域南から北に向かってはえ縄を入れ、北緯25度10分のライン③で終了。午後2時から揚げていく。

 台湾側には操業回数を1日2回から1回に縮小してもらった。

 

■現状ではベスト

 

 1月の第3回日台漁業委では、日本側は5日前までに台湾に通報した上で操業するとの内容で合意していたが、操業時間をずらせば連日操業ができるようになり、事前に通報する必要性もなくなる。

 上原組合長は「現状では最良の手だと思う。操業ルールの海域ですみ分けができるようになれば、もっと広い海域でもできる可能性がある。今年の操業で、うまくすみ分けができるようにしていきたい」と話している。

 日台漁業取り決めの適用以降、三角水域で操業を控えている高橋さんも「元の状態に戻してほしいというのが大前提だが、それができないところから始まった話。苦肉の策だが、今できることのベストではないか。少しでも仕事がいい方向に向かってくれればと思う」と一定の評価をする。

 「やってみないと分からないが、うまくいけば、さらに西の海域に操業できる海域を広げていくことができるのではないか。これでうまくいったから現状でいいだろう、ということになるのが心配だが、まずはやれることをやってみるしかない」と意を決している。


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