【西表】竹富町の「イリオモテヤマネコの日」の15日、53年前のイリオモテヤマネコ発見を記念するモニュメントが南風見田の浜駐車場に建立され、除幕式が行われた。式には、ヤマネコ発見と捕獲に協力した大原中学校卒業生や仲田森和教育長、地域住民らが出席。西表島のシンボルであるヤマネコ保全に向けて決意を新たにした。
ヤマネコの発見では1965年5月5日、遠足で同浜を訪れた同校17、18、19期生の生徒らが個体を見つけ、捕獲したものが新種の証拠となる標本「タイプ標本」として、発表された。
記念モニュメントは、「当時の子どもたちから次世代の子どもたちへ」がテーマ。親しみやすいデザインで、発見時と同じくヤマネコが岩場に隠れる様子を表現している。18期生を中心とするヤマネコ発見50年記念事業期成会(新盛基代会長)が設置した。
同期成会は、発見場所を関係者しか把握していないことから、発見50年目の節目を迎えた2015年に発足。島内外の郷友や卒業生から寄付金を募り、足掛け3年で実現した。
式では、発起人を代表して同期成会副会長の山盛力氏が「西表島は世界自然遺産登録を目前に控える。イリオモテヤマネコの存在がさらに大きな役割を果たしている。ヤマネコ世紀の発見の碑として世界に発信していきたい」とあいさつ。
53年前、生徒らが捕獲したヤマネコをはく製にするなど個体保存に尽力した元教諭の島袋憲一氏は「いまでも教え子とはヤマネコの話で盛り上がる。モニュメントで大原中との関わりを知ってもらい、先輩方が見つけた自然を守っていってほしい」と話した。
西表島のみに生息するイリオモテヤマネコは国の特別天然記念物で、絶滅危惧種ⅠAに分類。現在の推定生息数は100頭ほどとされている。