竹富町は12日までに、波照間島の住民が島を訪れる観光客らに「知っておいてほしい」と思う情報を盛り込んだ地図「はてるまっぷ」を完成させた。観光に役立つ食事処と公共トイレ、フォトスポットのほか、御嶽などの立ち入り禁止区域や観光マナーとして「島民からのお願い」を紹介。島内42カ所と竹富町役場で計1万枚を無料配布しており、町の担当者は「島の方々と一緒に作製した地図。お願い事項をチェックしながら、島を楽しんでもらえたら」と話している。
地図作製は、町の2017年度波照間島基礎調査事業の一環。同事業のアンケート調査(回収率65・4%)で▽観光マナーの悪化▽交通ルール違反—など「観光客に対して困った経験」がある住民が66・7%にのぼったことを受け、住民と来島者を隔てる情報格差を解消しようと着手した。
同年度にワークショップを住民向け2回、小中学生向け1回の計3回開催し、地域の声を反映させた。
地図はカラーA3判。かわいらしいイラストを添え、ごみのポイ捨て禁止や交通ルール厳守を呼び掛け。小中学生が発案した親子で楽しめるスポット2カ所も掲載した。
地図上部の「波照間島民からのお願い」では▽水着や露出の多い格好で歩かないようにしましょう▽入店時には体をよく拭き、服の砂を払ってください▽夜間に大声で騒がないようご配慮を▽御嶽や拝所は島民の大切な信仰の場所です—の4点をお願いしている。
担当者は「いまあるマナー違反は悪意があるものではなく、観光客が『分からない』ことによるもの。地図で互いにプラスの効果が生まれてほしい」と話した。