クルーズ船が寄港地に1泊滞在する「オーバーナイトステイ」が12日、スタークルーズ社のスーパースタージェミナイ(総㌧数5万764㌧、全長230㍍、乗客804人)の寄港により石垣港で初めて実現した。同日夜の中心市街地では飲食を楽しむ台湾人観光客らの姿が見られた。観光・飲食業界からは昼夜を問わない消費を歓迎する声が相次いだ。次回は21日に予定されており、夜の飲食店に客を取り込もうという業界の動きが活発化しそうだ。
クルーズ船が寄港地に1泊するスタイルは全国の各港でも行われ、県内では那覇や宮古でも主流になりつつある。石垣でも定着するかどうか注目される。
船舶代理店の沖縄シップスエージェンシー石垣支店(松田新一郎支店長)によると、ジェ号は台湾の高雄を出港して石垣を周遊するコース。石垣での停泊時間は午後1時から13日午前7時30分まで。
この日は、スーパースターアクエリアス(5万1039㌧、全長229㍍、乗客974人)が午前9時、石垣港F岸壁に接岸、午後7時まで停泊した。
このためジェ号は、石垣島と竹富島間の検疫錨地に沖泊まり。乗客はテンダーボートでユーグレナ石垣港離島ターミナルから上陸した。ジェ号はア号の出港後、F岸壁に接岸した。
2隻同時の寄港で団体客用の大型バスはそれぞれ7台の貸し切りがあった。
乗客は通常より2倍も長い滞在時間を過ごすことが可能となり、日中は石垣島や周辺離島の観光を満喫。夜には美崎町の焼き肉店で複数のグループが「石垣牛」などに舌鼓を打った。30~40代の男性5人は「石垣島は初めてで石垣牛を楽しみにしていた」と話した。
一方、店側によると、これまでクルーズ船の乗客は入港前に団体で予約するケースが少なくないが、接岸時間が遅れて急きょキャンセルされることもあったという。
男性店長は「ナイトオーバーで利用客が増える半面、そういう例も増えるのではないかと心配している。団体予約があると、地元客を断っているので、ドタキャンされると困る」と複雑な表情を見せた。