前市議で新人の宮良操氏(61)=社民、社大、共産、自由、民進推薦=、3期目を目指す現職の中山義隆氏(50)=自民、公明、維新、幸福推薦=、前自民県議で新人の砂川利勝氏(54)が集票合戦を繰り広げている石垣市長選(11日投開票)は10日、運動最終日を迎え、各候補者が大票田の市街地を中心に最後の訴えに駆け回る。宮良陣営は八重山農林高校近くで、中山陣営は730交差点で、砂川氏は選対本部前で、それぞれ午後6時から打ち上げ式を行い、7日間の運動を締めくくる。
宮良氏は推薦政党や平和団体、労組などの支援を受けて選挙戦を展開。新庁舎移転、火葬場移転、幼稚園休園、不発弾保管庫整備、陸自配備計画など中山市政2期8年に言及した上で「住民の声がないがしろにされてきた」と批判。陸自配備を受け入れないとの立場を強調し、「私たちの未来は市民が決める。市民の声が届く政治をしなければならない」と訴えてきた。
平得で9日午前に行った街頭演説では「名護市長選と同様、国の選挙になっている。安倍政権が沖縄をつぶそうとしている証拠だ。国との戦いに勝ち抜いてこそ、私たち市民のまちづくりができると確信する」と語りかけた。
中山氏は、政府・与党の自公の支援を受け、組織力を生かした戦い。自民党は二階俊博幹事長ら衆参の国会議員延べ30人を送り込むなど総力を挙げている。二階幹事長は8日夜の選対会議で「国政と関係がつながっていることが大事。予算については責任を持つ。それくらいの気概がないと幹事長として来られない」と支援を約束。
中山氏は、街頭演説などで陸自配備計画には言及せず、2期8年の実績を強調。八重山農林高校前交差点で9日午前、「経済や観光を安定的、持続的に伸ばしていく。自公政権と連携のとれる市政を運営し、約束したことを必ず実現する自信がある」と訴えた。
砂川氏は、自民党除名を「自民党から市民党へ」と逆にPR。保守分裂選挙となった6年前の県議選同様、徹底したどぶ板選挙を展開。各地区をくまなく回って有権者にじかに支持を訴えてきた。
幼稚園休園問題、平得大俣への陸自配備計画などに触れ、「まさに市民との対話がなく行政が進められた」と批判。キャッチフレーズの「対話で創る島づくり」を浸透させている。
荒引橋で9日午前、陸自配備問題について「新たな候補地を防衛省が決定した後、しっかりと住民投票を行い、皆さんの意見を尊重し、その通りに進めていくのが本当の民主主義だ」と訴えた。