【黒島】黒島最大のイベント「牛まつり」が開催された25日午前11時ごろから、翌午前1時すぎまでの約14時間にわたり島内全域で断水した。竹富町が25日午後から原因究明と復旧作業にあたる一方で、まつり会場では関係者らが貯水タンクを所有する家庭から水を譲り受けるなどして3000人に及ぶ来場者のトイレ対応やイベント進行に奔走した。今回の断水を受け、西大舛髙旬竹富町長は「しっかりと再発防止に努めていきたい」と陳謝した。
同まつり実行委員会によると、島内の断水は25日午前11時ごろに発生。同日午後2時までに同実行委員や島民から町役場に連絡が入り、原因究明に徹した町水道課は翌午前1時すぎに流入を確認、同3時までに完全復旧している。
新城島から海底送水を受ける黒島では現在、老朽化に伴う海底・陸上送水管の更新工事が進められており、今回の断水は、同工事の作業に支障をきたさないよう、新城島北側にある送水管のバルブを半分閉じていたことが原因とみられる。
同課によると、24日午前11時ごろから黒島への流入量が1時間4㌧弱と抑えられた状態になっていたことに加え、翌日の牛まつりで水の需要が高まり、需要と供給のバランスが崩れたという。
同課は26日午前0時ごろ、新城島の送水管のバルブを全開にして対応。一気に水圧が増したことで、同日午前7時には黒島のタンク(67㌧)の配管に新たな腐食・漏水部分も見つかり、応急処置にあたった。
時折、大雨に見舞われた牛まつり会場では、各プログラムで泥まみれになった来場者の洗い場確保やトイレ対応、料理提供などに追われ、3000頭超いる肉用牛の飲み水不足や、宿泊客をキャンセルせざるを得なかった民宿もあるなど影響が広がった。
同実行委員会の仲田和則さんは「島には15年住んでいるが、今回のようなことは初めて。凡ミスが原因で怒りはあるにあるが、今後に向けて再発防止をお願いしたい」と要望。
前石野裕和水道課長は「多大な迷惑をお掛けし、申し訳ない。地域の方々のご理解とご協力を得ながら、職員一丸となり水道の安定供給に努めたい」と話した。
同課によると、27日午前7時半時点で黒島の貯水タンク(67㌧、500㌧)は満水となっている。