数え97歳のカジマヤーを迎えた我喜屋スミさんの長寿を祝うパレードが24日午前、野底地区で行われ、親族約50人や住民ら総勢約100人が参加した。野底地区でカジマヤーのパレードが行われるのは初めてという。
スミさんは沖縄本島の旧越来村出身で、1922年12月25日生まれ。54年にコザ市(現・沖縄市)から夫婦で開拓移民として移住した。
「嘉手納飛行場のすぐそばだったから、何も残らなかった。1町5反もらえると聞いてきたが、道も水もない。石だらけ。本当に驚いた」と当時を振り返り、「今の野底は本当にいい所になった」と笑顔を見せた。
夫の故・我喜屋変山さんとの間に5人の子に恵まれ、孫15人、ひ孫16人、玄孫1人に囲まれる。
浦添市から駆け付けた弟の新里宏輝さん(81)は「若い時の苦労は相当なものだった。子や孫に囲まれて、今が一番幸せ。うらやましく思う」、長男の我喜屋隆さん(68)は「本島から移民で来て、言葉にはできないほど苦労を乗り越え、5人の子どもを育て上げた。母を誇りに思う。カジマヤーパレードは子や孫たちの役目。感謝をこめて盛大に祝いたい」と話した。
スミさんは風車などで華やかに飾り付けられた三輪車「トゥクトゥク」に乗り込み、兼城集落内をパレード。終始住民らに笑顔で手を振り続け、「一生に1度しかできない。長生きしてよかった。部落中の人が応援してくれた」と喜びを語った。