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郷土愛を育み継承を 八重山芸能

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第6回(最終)八重山芸能を考える連続講座で八重山芸能の課題について語るパネリストら=3日夜、石垣市健康福祉センター視聴覚室

 昨年9月から始まった「八重山芸能を考える連続講座」(合同会社白保企画主催)の第6回(最終)が3日夜、石垣市健康福祉センターで開かれた。第1回のパネリスト7人が再登壇し、「次世代のアイデンティティーや郷土愛を育むことが伝統芸能の力、役割」との共通認識を確認した上で、スマムニの継承や後継者の育成など八重山芸能の課題に対し、それぞれの立場から次の一手を投げかけた。

 パネリストは八重山芸能研究家の大田静男氏、県立芸術大学名誉教授の波照間永吉氏、県指定無形文化財八重山古典民謡保持者の糸洌長章氏、同八重山伝統舞踊技能保持者の與那國久枝氏、元学校長の花城正美氏、郷土芸能の夕べ監督の黒島剛氏、沖縄文化芸術振興アドバイザーの平田大一氏。

 波照間氏が「芸能を支えるのは言語」として、八重山のスマムニの危機的状況について問題提起。これに糸洌氏は、片言の方言でも喋りやすいような雰囲気づくりの必要性を挙げ、黒島氏は「アルファベットの歌のように、面白くて子どもが覚えやすい歌を作れないか」と提案した。

 一方、平田氏は「減少してしまったスマムニは、新しい文化として自分たちでつくっていくという観点も必要」と指摘、「言語を守るためには、生活スタイルの変更や法律への組み込みなど思い切った取り組みも必要だろう」と語った。

 後継者については糸洌氏が「特に男の継承者が減っている」と指摘。花城氏は「幼児期はことわざや童歌を教えるなど、子どもの発達段階に応じて郷土芸能への興味関心を育てていくのが良い」と推奨、黒島氏も同調し、「行事に参加する子を出席扱いにするなど、学校側の協力も必要では」と提起した。

 このほか▽本会議を本島で開き、各地域が芸能について考える輪を八重山から発展させる▽芸能を発表できる場として舞台設備の新設、拡充▽行政職の重要ポストとして、八重山芸能アドバイザーのような立場の設置―などのアイデアもあった。

 主催者の横目博二氏は「八重山芸能のために今何をすべきか、道筋はなにか、簡単な問題ではない。それがわかっただけでも成果は大きかったと思う。お互いに考えながら、今後も八重山の芸能と向き合っていきたい」と締めくくった。

 この日は約90人が参加し、主催者によると聴講者は累計約400人にのぼった。


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