【与那国】比川小学校(比嘉良成校長、児童9人)は20日、同校体育館で卒業式を開き、唯一の卒業生となった長濵菜々美さんの門出を地域住民たちが温かく祝福した。4月からは、祖納の与那国中学校にスクールバスで通学することになっており、多くの友達ができる中学生活を楽しみにしている。
比川小は、「手を取り合って協力する心」を意味する「まるんなの心」が校訓。菜々美さんは「みんなで協力し合ってきた。だから独りぼっちの卒業はさびしくない」と述べ、楽しかった思い出を振り返った。
学校生活では、図書・飼育委員を務め、昆虫観察が大好き。4年生の時に母親を病で亡くし、昨年、お母さんの絵コンクールで入賞した際は、多くの人から祝福された。
式辞を述べた比嘉校長は、いつも元気なあいさつを欠かさなかった菜々美さんを褒め、「セーラー服を着た姿はきっとすてきでしょう」と期待した。
父親の正敏さんは「天国のお母さんも喜んでいると思う。持ち前の笑顔を忘れないでほしい」と話し、地域の支えに感謝した。
式では在校生が「翼をください」を歌い、菜々美さんは「中学校へ行っても頑張る」とあらためて抱負。紙吹雪が舞う中、学びやを後にした。(田頭政英通信員)