鳩間島で取り組む「油化プラント」の安定稼働と、町への移住定住促進に向け、竹富町が地域おこし協力隊制度を初めて活用する。15日から隊員2人の募集を開始した。多島一町の町内では高齢化と人的資源の確保が課題。同制度を導入して都市圏の人材を呼び込むことで、油化プラント事業と移住定住促進事業の骨組みを構築し、新たなネットワークの形成につなげていく考えだ。
地域おこし協力隊は、総務省が地方の人口減対策などのため2009(平成21)年度にスタートさせた制度。隊員にかかる経費は同省が特別交付税で財政支援する。
同省のまとめによると、16年度の隊員数は886自治体で3978人。郡内では石垣市で4人が活動している。
鳩間島では09年に、海岸に漂着した発泡スチロールをスチレン油に精製する固定式油化装置(プラント)を導入。その後、移動式を開発、公開実験されるなど、漂着ごみの処理コスト低減化や鳩間島の産業開発に期待が寄せられていた。
現在、島には固定式油化プラントが1台あるが、▽人手不足▽精製量の少なさ▽利用用途が限定されているーなどを理由に安定的な稼働には至っていない。
協力隊員の一人は鳩間島に勤務し、油化プラントを活用した持続可能な資源化ネットワークを組み立てる。他の一人は町役場を起点に週4日は各島をめぐり、関係機関・団体との調整、情報収集やSNSでの町の魅力発信して移住定住促進に取り組む。
町政策推進課は「これまで不足していたマンパワーを補うことで、地域への刺激、地域おこしの実現と維持など地域活性化につながることを期待している」と話している。
募集に伴い、町は地域おこし協力隊の設置要綱を10日付で施行、15日に公示した。