ことし夏ごろに西表島の世界自然遺産登録を控える竹富町は16日、世界文化遺産を有するサンマリノ共和国の駐日特命全権大使マンリオ・カデロ氏を町応援大使に任命する。世界154カ国の駐日大使を代表する駐日外交団長も務めるカデロ大使を通して町内各島の歴史や自然、文化などの魅力を発信したい考え。西大舛髙旬竹富町長は取材に「カデロ大使の力をお借りし、西表島、そして竹富町を世界にPRしていきたい」と期待を寄せた。
町応援大使は、竹富町に深い愛着と関心を寄せる人が、島々の紹介や宣伝活動を通して町発展などに協力する。任期は3年。
カデロ大使は、プライベートを含めて石垣島や西表島を2、3度訪れており、西表島を「ハワイに負けない素晴らしい場所」と絶賛。世界遺産関連で同国大使館と交流を図っていた町から昨年、オファーを受け快諾した。
サンマリノ共和国はイタリア半島中東部に位置し、面積61・2平方㌔、人口約3万3000人(2016年8月時点)。世界で5番目に小さな国で、世界最古の共和制国家として知られる。
2008(平成20)年には、サンマリノ旧市街のあるティターノ山(739㍍)や歴史地区などが世界文化遺産に登録された。
西大舛町長と竹富町議会の新博文議長ら一行が16日午後、東京都港区のサンマリノ共和国大使館を訪れ、カデロ大使に認証状を交付する予定。
新議長は「これを契機に西表のPRや、自然環境保全の取り組みにつながればうれしい」、西大舛町長は「サンマリノ共和国とは世界遺産のつながりもある。カデロ大使からは西表島のファンとしての思いも聞いており、竹富町をどんどん盛り上げていければ」とそれぞれ話した。