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炎上米軍大型輸送機同型訓練再開

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 ■唯我独尊四軍調整官

 ウチナー・ウセェートン(沖縄をばかにしているのか)、県民のだれもが思ったのではないか。東村高江の民間地に普天間基地所属のCH53E大型輸送ヘリの墜落炎上事故からわずか1週間。事故原因も公表されない同型の米軍ヘリが通常飛行訓練を再開させた。

 海兵隊は航空部門専門家の安全確認による判断と述べ、ニコルソン四軍調整官は「私自身が安全でないと感じる航空機の運用を許可することは決してない」とコメントした。思い上がりも甚だしい。

 沖縄県議会は抗議決議・意見書を全会一致で可決し地元東村議会、高江地区が抗議をするなかでの飛行再開は沖縄県民を侮辱するものであり、到底許されない。

 小野寺防衛大臣は、事故当時米軍に抗議し原因究明と安全防止、詳細な情報提供を求め中嶋沖縄防衛局長が在沖米軍トップのニコルソン四軍調整官に申し入れていた。それが無視されたまま再開したことに小野寺防衛大臣は「遺憾」の意を表明したが、県民こそ「遺憾」だ。

 17日、高江区民に中嶋沖縄防衛局長が「事故原因の解明は当然」と述べていたころ、米軍は飛行再開を発表していた。防衛省や沖縄防衛局は泣きっ面にハチだろう。

 事故が起きるたび、日米協定を盾に日本の調査は出来ない。翁長県知事は日本政府に対し「日本政府から守られている感じがしない」とコメントしている。

 いつまで、日米両政府は県民を侮辱し続けるのか。

 沖縄県民が望んだ「祖国復帰」は米軍による軍事優先、人権無視からの脱却も願いに込められていた。真逆のことが沖縄では行われているのである。

 ■沖縄人は人間でないのか

 1970年12月当時のコザ市で米軍車両を焼き打ちするいわゆるコザ暴動が起きた。長年の人権無視に鬱積(うっせき)し、怒りが爆発した不幸な事件であった。

 事件の音声を聞くと、現場で興奮したひとが「沖縄人はどうしたらいいのか。沖縄人は人間でないのか。沖縄人の涙の意味がわかるか」と怒りの声を上げている。

 このような悲劇が起こらないことを願うのは当然だが、日米両政府の軍事優先策の現状が続けば、いつ、不幸な事態を招く恐れがある。

 東日本大震災の際、米軍は救援活動や放射能の汚染除去をトモダチ作戦とピーアールした。

 しかし、沖縄における米軍の現状はトモダチと言えるものではない。

 昨年3月、米兵による女性暴行事件で謝罪のため翁長県知事を訪問したニコルソン在沖米軍四軍調整官は、被害女性への謝罪のことばはなく「良き隣人」を強調した。そして、「事件の被害者は米軍」とも言わんばかりであった。トモダチや良き隣人という言葉が県民の目にはしらじらしく映る。

 同調整官については昨年、オスプレイ墜落事故で抗議した当時の安慶田副知事に対し「住宅や県民に被害を与えなかったのは感謝されるべきだ」と述べたといい、植民地丸出しの意識だと非難を浴びた。

 ■トランプ訪日と危険性

 11月にはトランプ大統領が日本などを訪問し、北朝鮮の核開発などについて首脳会談を行う。

 トランプ大統領の訪日によって沖縄基地が一層、強化される恐れがある。沖縄県民には目が離せない。

 石垣市議会は18日臨時議会を開き、やっと、MV22オスプレイの新石垣空港着陸や東村高江の民間地への米軍ヘリコプター不時着・炎上に抗議する決議・意見書を決議した。飛行停止などを盛り込んでいるが、具体的性が求められる。


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