竹富町自然環境課(白保隆男課長)では、沖縄振興特別推進交付金(一括交付金)事業を活用した島々の景観形成事業の一環として、町墓地整備基本計画の作成作業を行っている。年度内に町内全世帯を対象にしたアンケートをまとめ、来年度には各地区で説明会を実施し、計画案を町議会に諮りたい考え。白保課長は「田畑に墓が点在している地域もあり、景観上の観点からも墓を集落の一角にまとめられるように誘導したい」と述べ、協力を呼びかけている。
町内では地域により墓が点在している地域や、集落単位で共同墓地を形成し、墓を一角に集積している地域があるものの、近年は各地域ごとに墓を一角に集積する共同墓地形成を望む要望が上がっていた。
また、新しく墓を造る際には地域の共同墓地に入りきれなくなっているため、町有地や国有地の賃貸・払い下げによる新たな用地確保の要請も上がっている。
同事業では景観を踏まえた集落形成や土地利用の観点から墓地用地の誘導が必要だとして、アンケートや実態調査を踏まえて墓地のあり方を検討していく。事業費は約800万円。
2月までに町内全世帯を対象に一次アンケートを実施。墓1基ごとの立地場所、管理状況、周辺の状況を調査し、台帳と分布図の作成作業を進めている。
一次調査で町内には628基の墓が確認されているが、同課では所有者不明や無縁墓などを含めると町内の墓は約800基にのぼると見込んでいる。
白保課長は「林野庁から国有地を借りて共同墓地を造っている地域もある一方、畑の片隅などに造られている現状もある。墓地用地が不足し、拡大しなければならない地域もあり、景観上の観点からも墓を集落の一角にまとめられるように誘導する町墓地整備基本計画を策定したい」と話した。
同課では2月中に二次調査結果をまとめた後、来年度に検討委員会を設置するとともに各地域で説明会を開いて地域の意向を確認し、墓地用地の集約化を図る計画を策定したい考え。