石垣市長選は2日、市内各地で投票が行われ、即日開票の結果、現職の中山義隆氏(46)=自民・公明推薦=が1万5903票を獲得、返り咲きを目指した大浜長照氏(66)を4022票差で退け、圧勝で再選を果たした。大浜町と合併した1966年以降、保守市政が2期続いたことはなく、中山氏が難題だった鬼門を突破した。投票率は75・19%で前回(77・42%)を2・23ポイント下回った。
今選挙は、中山市政4年間をどう評価するかが焦点。告示後は防衛省が南西諸島の有人島で警備部隊の配備を検討していることが明らかになったが、争点にはならなかった。
選挙戦で中山氏は給食センター、食肉センター、全幼稚園での預かり保育などの実績をPRし、「若さ、実績、行動力」をキャッチフレーズに運動を展開。「景気回復の流れを止めるな」と訴え、自公の支持層のほか50代以下の世代を中心に幅広く集票した。
自衛隊配備をめぐっては具体的な候補地が浮上したが、中山氏は「防衛省から何も聞いていない」と否定。防衛大臣らも即座に「事実ではない」と火消し、影響を抑えた。
一方、大浜氏は2月以降、有権者と直接会って支持を呼びかける「どぶ板選挙」を展開。一部の保守層を取り込み、「市民党」を標榜(ひょうぼう)し、「市民が主人公の石垣市を取り戻そう」と呼びかけたが、有権者には浸透しなかった。自衛隊配備問題が浮上して以降、従来の革新色が前面に出てしまった。
当日有権者数は3万7253人(男1万8509人、女1万8744人)で、2万8010人が投票した。このうち期日前投票者は1万1511人で、投票者総数に占める割合は41・10%となった。
【中山義隆氏の話】
2期目の当選をさせてもらい素晴らしい、うれしい結果になった。市民と約束した96項目のマニフェストを必ず4年間で実施する。新空港の開港で上向いた経済、観光をさらに伸ばすことで各種産業を育成し、市民の生活が安定し、豊かになる石垣市をつくっていきたい。