あす3月4日は語呂合わせで「さんしんの日」。沖縄の民謡、古典音楽、舞踊にも欠くことのできない三線は文化の原点とも言われ世界に誇れる楽器▼2度の大戦や米軍の支配が続いた厳しい苦境の時代でも民謡を楽しむ心を持ち続け忍耐強く生きてきた先人たち。各地に息づく伝統音楽はエネルギーの源と言えるかもしれない▼「さんしんの日」は1993年に元琉球放送の上原直彦さんにより提唱、ラジオの時報に合わせ毎時間に「かぎやで風」を同時に演奏するイベントが今では県外、アメリカなど世界中を駆け巡るまでになった▼八重山でも三線研究所や個人で取り組まれていたが、2001年から市文化協会が中心になり、流派を超え愛好者が集い大合奏会が開かれている。広い会場で約400人が一斉に奏でる旋律は圧巻で心が癒やされる▼八重山も子どもから高齢者まで三線に親しむ人は多い。各島々で平和を祈りながら沖縄が最も訴えたい平和の願いを発信し、沖縄中を一つにしてくれるのが三線では▼できることなら十六日祭や終戦記念日、宗教の枠を超え人々が平和を祈る慰霊の日のように沖縄独自の祝日にして、三線の楽しみを分かち合い同じ思いで三線を奏で、島中に三線の音が響き渡る一日になればすてきだが。4日は八島小体育館で大合奏会がある。(辻本順子)
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