基地問題で政府の意のままにならないからと、県に振興予算の削減を明言して服従させようとする。またもや県民を金でねじ伏せる安倍政権の「沖縄いじめ」と言わざるを得ない▼これまで「振興策と基地問題はリンクしない」が政府の立場だった。それが参院選が終わり、沖縄選挙区で現職の担当大臣が惨敗した腹いせか。辺野古新基地建設が進展しなければ「予算削減はある」とする「リンク論」への転換である▼安倍政権に欠けているのは人間味ではないかと痛感するやり方である。政権を維持するために政治家が術策を必要とすることを否定するつもりはない。だが、その根底には国民に対する「誠実さ」があるべきではないか▼それとも県民は国民でないのか。国民に対して誠実さをみせず、米国には追従という形の誠実さで対応することが安倍政権が目指す美しい国づくりというなら、これが民主政治かと疑われても仕方あるまい▼リンク論転換には沖縄の保守系首長や議員の意向があったと聞く。政治家は誠実であってこそ、国民や県民の理解を得ることができるのに保身のためにきゅうきゅうとする。そこに国家の危機があるように思えてならない▼強権な安倍首相。著書「美しい国へ」に記された「つねに『闘う政治家』でありたい」との言葉が恐ろしくなってきた。(鬚川修)
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