県老人クラブ連合会(白石武治会長)が八重山地区老人クラブ連合会(東田盛正会長)を対象に3年に1度、テーマを変えて実施している研修会が8日、八重山合同庁舎で開かれた。今回は、1人暮らしの高齢者らを見守る訪問支援活動のリーダーを養成する内容。会員ら45人がさまざまな講義や実技を通して学びを深めた。研修は9日まで続く。
お年寄り相互で行う訪問支援活動は、1人暮らしや寝たきり、虚弱な高齢者の自宅を訪ねて困りごとの把握や情報提供を行うもの。地区老連は2、3年前から実施しているが、地区単位での取り組みに違いがあるなど課題があるという。
研修で講義した居宅介護支援事業所本部園の奥野肇三主任介護支援専門員は、他市町村の事例を紹介しながら「訪問を受ける側は励ましと支えになり、訪問する側は生きがいづくりにつながる」と訪問活動の意義を強調した。
訪問対象となる高齢者に参加者は「訪問してみたいが周りにはいない」「家の隣に一人いるが、たまに子どもが来ており楽しそうに過ごしている。私が行ったら迷惑にならないか」などの声があった。
研修では、県老連が訪問支援活動の心構えなどをまとめた「友愛活動手帳」も紹介され、東田盛会長は「記録を残す観点から活用していきたい。今回の研修を基礎に、まずは会員を増やしていきたい」と話した。
県老連の知花徳盛常務理事は「八重山でも行われている訪問活動は、交流がなにより大切。高齢者が安心して暮らしていけるよう良い研修になれば」と期待した。
この日は、地域福祉ネットワークに関する講義と訪問技術を習得する実技もあった。最終日の9日は、福祉サービスや介護予防体操を学ぶ。