■危険な道路への飛び出し
左右を見ずに細い路地から飛び出して来る自転車乗りの子どもを幾度も目にした。この危険な行為の頻度からして大きな事故が何件か起きていてもおかしくないが、そうならないのは多くのドライバーが飛び出しを見越して、よほど慎重に運転しているのだろう。
先日、見知った男子高校生が前方一点を向いたまま優先道路に自転車を乗り入れ、平然と横切って行くのにはびっくりした。間近の筆者の車にも気づかないごとくであった。こちらも安全確認を怠っていたら間違いなくはねていた。びっくりした訳は他にもあった。その高校生にはしっかり者の印象があったからである。
安全教育に熱心な学校関係者は小学生には視界の60%しか見えておらず、危険を察知する集中力も弱いと話した。どうやら学校、保護者などにはより一層の交通マナー順守の指導、危機回避能力の育成・強化が必要であり、われわれドライバーには引き続き万全の安全運転が求められる。
■泳ぎは安全な環境で
伊原間中学校30周年記念誌中の学校沿革史1972年7月21日の条に「平野出身の生徒五名、筏(いかだ)遊びで水難事故、一名死体確認、四名生死未確認、外に小学生二名(後略)」とある。何とも痛ましい事故である。中学生5人、小学生2人が台風の影響で荒れる海に投げ出され、結局1人を除いて遺体さえ見つからなかった。波風の音に混じって悲痛な叫び声が聞こえてくるかのようであり、事故を知った人々の慟哭(どうこく)を耳にする思いである。この夏休みさえなければ…どのくらいの人がそう思ったことだろう。
泳ぎは安全な環境で楽しむことだ。泳ぎの達者な大人から大いに学び、溺れた人を救い出せるくらいに泳力を高めてもらいたい。シュノーケルは使い方を誤ると非常に危険なこと、十分泳げるようになって用いた方がよいことなど学んでほしい。
■害毒から身を守ろう
白保中学校などで薬物乱用防止教室が開かれた。早いうちから薬物について知り、その恐ろしさを学ぶことは重要であるし、年々その感を強くしている。というのも八重山では覚せい剤や大麻などの絡んだ事件がしばしば発生する。かつて大量の乾燥大麻が海岸に漂着したことがあった。去る5月には石垣経由で那覇埠頭(ふとう)に入港したヨットから600㌔の覚せい剤が押収された。乗組員6人も麻薬を所持していたというから物騒である。
事件ではないが、最近まで石垣島在住の元有名女優は大麻合法化を公然と訴えている。温暖な八重山は大麻の栽培に最適だと指摘する人もいる。新空港開港やクルーズ船の寄港で県外、国外からの観光客が飛躍的に増えた。中には麻薬所持で逮捕された者もいる。海浜でキャンプしながら脱法ドラッグに浸っているとのうわさもあると聞く。
常習者の中には親しくなりたい、遊びたいと思う相手に薬物を勧めることがあるという。子どもたちに誘惑の魔の手が、と考えるとぞっとする。酒、たばこもそうだが、心身に害毒をもたらすその実体について認識を深めつつ、誘われてもきっぱり断れる、そんな態度の確立に向けた指導・取り組みが急務と考える。