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ゴールデンウイークに考える

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 ■国民の祝日

 

 ゴールデンウイークもあすで終わりである。10連休の人もいるというがうらやましい限りである。ゴールデンウイーク中には国民の祝日が5日間ある。4月29日の「昭和の日」、5月3日の「憲法記念日」、4日の「みどりの日」5日の「こどもの日」である。

 国民の祝日は法律によって定められ第1条には「自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞって祝い、感謝し、または記念する日を定め、これを『国民の祝日』と名付ける」とある。だが、どれだけの人が意味を知っているだろうか。

 

 ■「昭和の日」

 

 「昭和の日」は「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」日だ。昭和の前半期は侵略戦争の時代であった。戦後、1919年のベルサイユ条約でドイツに課せられた膨大な戦争賠償金が日本に請求されていたら、日本の復興はどうなっていたか分からない。

 前日の28日は、52年のサンフランシスコ講和条約によって沖縄が日本から分離され、米軍統治下に置かれた日である。昭和天皇は1947年「米国が沖縄その他の琉球諸島の軍事占領を継続するよう希望する」ことをマッカーサー司令官に言明している。

 2013年、政府は講和条約発効を「主権回復の日」として式典を行った。沖縄県民の感情を逆なでした安倍政権の無神経さには怒りを覚える。国の将来を思うなら昨年成立した「安全保障関連法」を廃止すべきだ。

 

 ■「立憲主義の危機」

 

 憲法記念日は「日本国憲法の施行を記念し、国の成長を図る」ことが目的である。いま憲法改正をめぐって世論が沸騰している。自民党は憲法を米国の押しつけた憲法として自主憲法制定を党是とし、安倍首相は「ことしの参議院選挙で3分の2議席を確保し憲法改正を」と公言している。自民党の憲法改正草案は「滅私奉公」の戦前回帰とも言えるものであり、軍国主義復活の危険性さえある。

 憲法学者も世論調査も「改正必要なし」が上回っている。憲法の危機は即、立憲主義の危機である。

 「みどりの日」は「自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心を育む」という。自然に親しむのはいいことだ。しかし、自然環境は悪化している。カンムリワシやイリオモテヤマネコの交通事故死はその証左であろう。豊かな自然が豊かな感性を生む。自然と人間関係を考える日でもありたい。

 「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する日」が「こどもの日」である。児童たちを見ていると宿題、塾やクラブ活動など超多忙だ。一方で、子どもの貧困問題も深刻だ。深夜アルバイトで疲れ、学業に身が入らない生徒も増えている。そのため学力不足で進学を断念したり、中退する者もいる。そのため就職も不利で、貧困の連鎖を生み出している。子どもの人格や幸福を大人たちは考えてほしい。音楽祭や諸行事などバカンスを楽しむのもいいが、「国民の祝日」は、私たちにとって重要な日であることも知ってほしい。


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