1998年から沖縄の漂着ごみの調査を開始し、八重山では6島38海岸で定点調査を続けている。防衛大学校名誉教授の山口晴幸さん(67)だ。ことしも3月24日から1カ月間、海岸線を歩き続けた。距離は約18㌔に及んだ▼1980年から約10年間、全国の海岸の砂がどれくらい汚れているかを調査したのがきっかけ。「人のいない海岸の砂はきれいだが、ごみで覆われていた。砂がきれいでも、ごみが多い海岸が果たしてきれいな海岸と言えるのだろうか」と疑問を感じたのだという▼それから19年間、定点観測をしている海岸に漂着しているごみを一つ一つ数えていくという地道な方法で調査を継続している▼ことしは、5㍉以下のマイクロプラスチックを初めて調べた。1㍍四方から厚さ2㌢の砂を取って5㍉のふるいにかけ、マイクロプラスチックだけを取り出すという気の遠くなるような作業。顔は日に焼けて真っ黒。脱帽である▼沖縄での調査を通して、中国など外国からの越境ごみの多さに驚いたという。2013年度までの調査結果では日本製ごみはわずか3・2%。残りは外国製か国籍が不明なごみだった▼「最低でも来年までは調査を継続したい。そして20年の成果をまとめたい」と意欲満々。山口さんが願う、きれいな砂と漂着ごみのない海岸が少しでも増えれば、と思う。(比嘉盛友)
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