石垣市は2016年度の公立保育所、認可保育園などの入所審査を終えた。市児童家庭課によると、定員1558人に対し、申込者数は1763人で、205人超過。「希望する園ではない」などの理由で入所を辞退する人もおり、実際には274人が入所できなかった。同課の担当者によると、本年度から新設園や認可園への移行などで216人の受け入れが増えたが「昨年度から始まった保育制度への期待感からか、申し込みが大幅に増えた」と話す。
特に1、2歳児の受け入れが追いついておらず、市では0~2歳児までを預かる小規模園などを増やしているが、まだまだ足りない状況。入所の審査結果は3~5歳児が2月中、0~2歳児は3月7日に郵送などで申請者に通知した。
5歳と2歳の子を持つ女性(29)は「通知が遅すぎる。ずっとそわそわして待っていたが下の子が落ちた。無認可園に何とかお願いして入れてもらった。入れなかったらしばらく仕事を休むしかなかった」と憤る。
真栄里で飲食店を営む上地秀善さん(39)は「2年連続で落ちた。2歳になる長男を同世代の子と遊ばせてやりたい」と嘆き、「夫婦で店を切り盛りしているので、預けることができないと営業にも響く」という。
一方で無認可園として5歳児まで預かっていたのびのび保育園を昨年から2歳時以下を預かる小規模園(認可園)に移行し、さらに新規に小規模園を開所した平良順子園長は「3歳から幼稚園や別の保育園に移らなければならない。確実に行くことができればいいが、これで(小規模園を)嫌がる保護者も多い」と話す。また、保護者から「一つは無認可で続けてほしいとお願いされた」という。
平良園長は「ただ保育園を増やせばいいだけではない。保育士不足や親の労働環境など、本当に保育が必要な人に提供するべきだ」と語った。