【西表】環境省那覇自然環境事務所の講演会「知ろう!学ぼう!世界自然遺産」が12日夜、中野わいわいホールで開かれ、国際自然保護連合(IUCN)日本委員会の会長を務める吉田正人氏(筑波大学人間総合学科研究科教授)が「世界自然遺産だけでなく、地域の文化的な遺産や生活を大切にしていくためにも、住民がルール作りに参加することが重要」と述べた。
会場には観光関係者や地域住民など約100人が集まり、吉田氏は、政府が目指している2018年の奄美・琉球世界自然遺産登録に向けた課題として国立公園の拡張を挙げ、「保全するための十分な面積を有することで、将来にわたって重要な生息域を守っていける」と説明。
西表自然保護事務所の相原百合保護官は国立公園について「『国立公園イコール立ち入り禁止』ではない。地域によって規制のランクはあるが、自家用の部分はある程度これまで通りのことが行える」と述べた。
参加者からは「イノシシ猟はできるのか」との質問があり、相原保護官は「イノシシ猟を行っている地域は保護地区から外している。従来通りイノシシ猟ができる」と答えた。
「住民への説明が不十分」、「ランク付けや基準が分かりづらい」などの意見もあった。