竹富町は、入札不調が続いていた町営白浜団地建て替え工事について、必要とされる基準等級に満たない西表西部地区にあるDランクの業者との随意契約を開会中の3月定例会(新博文議長)に提案している。同工事は昨年12月に2回の指名入札を行っていたが、入札に参加した業者はいずれも「型枠職人などの技術者の確保が難しい」として辞退していた。町内では、白浜団地と同規模の建て替えを行った上原団地の工事が計画の6カ月を2カ月上回る8カ月かかって2014年5月末に完成した経緯があり、野底忠建設課長は「予算執行の面でもこれ以上待つことは厳しかった」としている。
町は上里至副町長も加わって建設業界側との協議を行っていたが、理解を得ることができなかった。
同団地の建て替え工事に必要とされる基準等級はAランク。随意契約を結んだ業者はDランクだが、町は学校関係や公民館の建設を手がけてきた実績があるとしている。契約額は1億6891万2000円。
野底課長は「工事の基準等級外の業者だが、地域で実績もあり見積もりも予算内に収まっている」と話した。
この工事請負契約は9日の本会議で審議され、西大舛髙旬氏は「ランクを下げて随意契約を行い、何かあった場合に誰が責任を取るのか」と追及。上里至副町長は「事故の原因を調査し、責任の所在を明らかにしたうえで対応していきたい」と述べるにとどめた。
白浜団地は1978年に建設され、築35年以上が経過して老朽化。7棟15戸で、1戸当たりの延べ床面積は51.4平方㍍、鉄筋コンクリート造り1階平屋建て。
建て替えでは、鉄筋コンクリート造り2階建ての8棟16戸を計画しており、今回の工事では2棟8戸分を整備する。1戸当たりの延べ床面積は74.8平方㍍の2階建て鉄筋コンクリート造り。工事の請負契約が可決されれば、町は本契約を結び着工。11月末の完成を目指す。
白浜公民館の大城一文館長は「団地はとても古く、壁が剥がれたりしているほか、立て付けも悪く、不便で危険。新しく建て替えられることで、生活環境が整い、子育て世代や定住者が増えることを期待したい」と話している。