南ぬ島石垣空港が開港した2013年からの3年間で、郡内のレンタカー物損事故件数は1060件に上り、年間の件数は年ごとに増加していることが八重山署(前田達史署長)の調べで分かった。ことし2月末までの物損事故は前年同期比の2倍となる60件に上り、レンタカー事業者などでつくる交通事故防止連絡会議の瀬戸守会長は「新空港開港から3年間でレンタカー業者も増加している。業界全体で改善に取り組まないといけない」と危機感を募らせた。
同連絡会議は八重山署や石垣市、郡内のレンタカー業者で構成。9日午後に八重山署3階訓授場で意見交換を行い、今後の方針などを確認した。
同署交通課によると、レンタカーの物損事故件数は新空港開港年の2013年が293件、14年が376件(前年比28.3%増)、15年が391件(同3.9%増)で年々増加しており、年間平均は353件。
昨年の事故件数391件の内訳は、衝突が291件(74.4%)と最も多く、接触の20件(5.1%)、追突の18件(4.6%)と続く。事故発生現場について同課は「駐車場内で車両同士の事故が後を絶たない」と指摘した。
レンタカー業者側は「市内のホテルや店舗の駐車場は狭く、普段運転しない客がハンドルを握るのでなおさら(事故が起きやすい)。外国人観光客の事故も増えてきている」とした上で、「事故防止のパンフレットを見ないことがあるので、スマートフォンやタブレット端末で周知できる仕組みがほしい」と提案した。
同課の与那覇長次課長は「レンタカー業者が利用客に声掛けを行い、未然防止に努めてほしい。(黄金週間や夏場の)大型連休までに対策を具体化させたい」と話した。