サトウキビの病害虫、イネヨトウ(メイチュウ類)をフェロモンによる交信かく乱法で一斉に防除する作業が6日、石垣島北西部地区で行われ、生産農家らが485㌶のほ場にフェロモンを発生させるチューブを設置した。県の一括交付金を活用した事業で、石垣市では前年度に崎枝、名蔵、於茂登など5地区374㌶で実施したのに続き2度目。
イネヨトウは、サトウキビの茎の隙間に産卵。ふ化した幼虫がサトウキビの茎内を食べ、芯枯れや折損などの被害を引き起こす。交信かく乱法は、メスのフェロモンでオスを誘因して交尾する機会を減らして幼虫発生を抑制する防除法。
この日の一斉防除では、伊野田公民館に対策本部(多宇弘充石垣島製糖農務部長)を設置。農家や市、県、JAなど関係機関から200人余が参加、フェロモンの入ったチューブを竹の支柱にくくりつける作業を行った。
石垣島製糖の原料委員を務める山城由久伊野田公民館長は「イネヨトウの被害に遭うとサトウキビが枯れてしまう。一斉防除で減ってくれれば、農家にとっても石垣島製糖にとってもよいこと」と話した。
多宇本部長は「県が取り組んでくれたことに感謝したい。農家もこれに応えてくれた。前年の事業でも防除効果が出ており、効果が期待できる。これを増産に結びつけたい」と期待した。
石垣市農政経済課によると、県の事業は本年度で終了するが、旧宮良川土地改良区では未実施となっていることから、次年度に市の予算で対応するという。