北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射実験に備え、航空自衛隊の地対空誘導弾(PAC3)が配備された南ぬ浜町(新港地区)の現場では、全国瞬時警報システム(Jアラート)の起動直後、約45度の角度で北側に向けられたPAC3は微動だにしなかったが、隊員2人と車両1台が動く様子が確認されるなど緊張が走った。一方、PAC3のすぐ前の航路では船舶が行き交う日常の光景が広がり、市民生活に影響はなかった。
弾道ミサイルが通過した後、陸自や海上保安庁が石垣島や周辺離島を上空から調査、異常は確認されなかった。石垣市は同日午前10時48分、「石垣島地方に異常などは確認されなかった」と安全宣言を行った。
中山義隆市長は、北朝鮮のミサイル発射実験が今回を含め過去3度、南西諸島向けに行われたことについて「非常に迷惑。市民の不安も高まる。今後、このようなことが一切ないよう政府は北朝鮮に毅然(きぜん)とした態度で臨んでもらいたい」と述べた。
市は同日午前6時半から防災担当職員ら十数人を配置、市役所に詰める自衛隊員と連携して情報収集に当たった。