きょうは旧正月。ひと昔ほど前は糸満出身者やウミンチュの多い地域では船に大漁旗が飾られ、にぎやかで友人に「お正月が2回あっていいねー」とうらやんだものだが、新正月が定着し旧正月を祝う地域は少なくなった▼旧正月の行事では黒島で伝統の大綱引きが催される。県内でも黒島だけに残っており、島びとが健康で豊かな世になりますようにという祈りが込められ、島を挙げて盛り上がる▼石垣市では97歳カジマヤーと85歳を迎えたお年寄りの長寿を祝うショーニンヨイ(生年祝い)が行われる。1950年から続く石垣ならではの行事で、今年は85歳が264人、97歳は45人が市長から頌状と記念品を受ける▼式には家族とともに足腰がしっかりしたお年寄り多数が晴れやかな表情で出席するのだが、一昨年、着物姿でバイクに乗って会場に現れたおばあちゃんには驚いた▼元気な高齢者がいる一方、市の65歳以上は約9300人。2018年には高齢化率が21%を超え超高齢社会となる。認知症、末期医療の在り方と高齢者ケアの課題は多く、今後の医療や福祉施設の充実は不可欠▼介護されず自立して生活できる健康寿命の延伸が重要だし健康で長寿を迎えてこそ「あやからしたぼーり」と言える。歳を重ねても心豊かに暮らせる環境づくりを地域全体で考えることが必要だ。(辻本順子)
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