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どのような交流を展開するか

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■20年前の種もみ大きく結実

 岩手県北上市と石垣市のかけはし友好都市締結式が25日、石垣市民会館で行われ、高橋敏彦北上市長と中山義隆石垣市長が提携書に署名。岩手県の種もみ緊急増殖事業で始まった相互交流は、20年の時を経て事業を主導した当時岩手県農政部長だった、故・高橋洋介さんの故郷である北上市との友好都市提携という形で大きく結実した。

 石垣市の姉妹都市提携は愛知県岡崎市、北海道稚内市、台湾蘇澳鎮、ハワイ・カウアイ郡、徳島県上板町に続いて6番目。北上市は宮城県柴田町、米国コンコード市、中国山門峡市に続いて4番目となる。この締結に感慨ひとしおの関係者は少なくない。

 今後両市は、現在のマラソン大会などの交流に加え、農業や商工観光、教育など各面で官民挙げてさらなる交流が装い新たにスタートする。

 石垣市と岩手県の交流は、双方とも種もみ事業やかけはし交流を知らない世代が増える中、これを次世代にどうつないでいくかが課題。それが今回北上市という交流の“拠点都市”ができたことで、同市を中心に次世代につなげるさらなる交流の深まりと広がりが望めるようになった意義は大きい。

 

■9万3千人の工業都市

 ところで新たな姉妹都市となった北上市は、人口9万3千人余の東北では数少ない人口増を続ける、岩手県内で有数の“元気印”の中核都市。かつては典型的な農業地域だったが、その後取り組んだ企業誘致に成功。今では北上牛や二子イモなどが特産の農業に加えてトヨタや東芝、シチズン、明治製菓、ヤクルトなど自動車と半導体産業を主に180社以上が立地する東北有数の工業都市となっている。

 さらに石垣市同様、「鬼剣舞(おにけんばい)」など独特の伝統芸能も豊富で、8月には3日間にわたり「北上みちのく芸能まつり」が催され、最終日には1万発の花火大会もあるようだ。その北上市とどのように交流を展開するか。

 高橋市長と中山市長は、今回両市のケーブルテレビが提携したことを引き合いに、今後ライオンズクラブやロータリークラブをはじめ商工団体、農業団体など各種団体の提携をバックアップするなどして交流を促進。そのうち教育関係では当面小中学校の相互交流を検討していく意向が示された。

 

■交流の在り方再構築を

 米国コンコード市と姉妹提携している北上市は、遠距離で旅費もかさむということもあるのか5年ごとに訪問団を派遣しており、こうした相互派遣など具体的な交流の在り方は今後両市で検討されることになる。

 そこで石垣市に提案したいのが、この機会に岡崎市や稚内市などほかの姉妹都市も含めて交流の在り方を、委員会を設置するなどしてすべて見直してはどうかということだ。

 現在の姉妹都市交流は記念事業や祭りへの参加など形式的な面が強く、徳島県上板町などのようにほとんど交流がないところもある。せっかく縁あって姉妹都市の契りを結んだのだから、ともに「市民の顔が見える」交流で互いの良さを学び、それぞれのまちづくりや活性化に生かしていきたい。


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